No.10 夏木垂陰の図
池 大雅(1723〜1776)

 池大雅は江戸時代の南宗画家・書家。京都洛北の御菩薩(みぞろ)村に生まれ。はじめは土佐光芳に絵を学び、そののち南宗画に興味を持ち、爪に墨をつけて描く指頭画にも長ずる。作品はいずれも筆意の妙に品位の高さを見る。晩年に至り筆を走らせ、墨を飛ばせて奔放縦横の絵は、大雅でなけらば描くことができない。他人がこの描画を学んでも描くことができない。
  南宗文人の絵は大雅が唱導したので大いに興ったが、大雅の絵は「ひとり大雅」の絵であって「第二の大雅」は今だに現われていない。
  この掛け軸はもともと衝立用として描かれた方形の珍しい図で、構図・墨調いずれも優れたもので、特に米点を雲烟とに実景的要素が見られる。妻の玉瀾もまた絵をよくす。

TV東京「なんでも鑑定団」出品作品です

◆鑑定依頼人
 小野 久雄(よろづや相談役)

◆エピソード
 創業200年を誇る老舗旅館を受け継いだ依頼人、現在はお孫さんに代を譲り旅館の相談役に収まっている。その旅館の自慢は、本館の横にある木造数奇屋造りの建物で、現在は国の有形重要文化財にも登録されている。依頼人のお宝は、依頼人の亡父がこの建物に合うものとして手に入れた掛軸。他では見たことのない素晴らしいものだが、以前落款だけが偽物だと言われ、元々あった落款は取ってしまったという。

◆鑑定士総評
 お宝は、本物の池大雅の作品である。元々は衝立だったということで、この絵が衝立であれば、さぞ立派なものに見えたと思うが、掛軸になってしまうと少し大味になる。このお宝自体は、池大雅の作品集にも載っており、そこには落款も入っていた。落款を取るなどいろいろ手が加わると美術品としての魅力は半減してしまう。



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