当館には200余年の長い歴史の中で培われてきた、人の心の琴線にふれる温かいおもてなしの伝統があります。
お客様の特別な時間をより良いものにするための細かな気遣い、心配りを忘れず、
お客様が「ホッと、くつろいでいただく」ような場所であり続けたいと考えております。
そのためにスタッフ一同、常に「より良く、より快適に」を追及し、
お客様から満ち足りた笑顔をいただけるよう、考え行動しています。
さらにお客様だけでなく、働くスタッフや自分達が住むこの街の住民を含めた全ての人々の「幸せ」を実現することが、
長くこの地に根ざす当宿の使命です。

いま、ここ湯田中、さらには宿泊業全体に大きな変革の波が訪れています。

お客様の国際化、ニーズの多様化といった市場の変化は、
既成の概念に捉われない新しい考えと行動力を持った人を必要としています。
200余年のわたしたちの歴史は、根幹にある伝統を大切にしながらも、
常に時代が求める新しさを柔軟に取り入れてきた変遷の歴史でもあります。
わたしたち、さらには湯田中の街を「よりよく」変えているける、
担い手が育っていくよう、働く環境を改善し、スキルアップのための研修制度の整備に取り組んでいます。

松籟荘の立ち上げに参画した経験は、自分のキャリアにとって大きな転機となりました。ゼロの状態から一つの宿を形づくるプロセスでは、建築・デザイン・運営設計・商品づくり・スタッフ動線など、多くの専門家と協働しながら「宿の世界観を整える」視点を磨くことができました。お客様にとって価値のある体験とは何か、地域に根ざした宿の在り方とは何かを学べたことは、今後どの施設に携わる際にも活きる財産です。この経験を土台に、より高いレベルで宿づくりに向き合い続けたいと考えています。